【おすすめ本】神の拳/F・フォーサイス  これが湾岸戦争の真実?著者の豊富な知識に圧倒される戦争スパイ小説。面白いです。

さすがフォーサイス!という作品。スケールが大きく、わくわくする戦争ミステリ-です。

膨大な知識量を基にして描かれた、ミステリー好き、スパイ小説好きにはたまらない作品。

 

1990年、イラクのクエート侵攻に端を発した湾岸戦争イラク国内に派遣された英国スパイが、「神の拳」と呼ばれる謎の兵器が存在することを突き止める。

多国籍軍は、その兵器の正体を暴き、発動を止めることが出来るのか?

 

いつもながら、フォーサイスのもの凄い知識量には驚かされます。

敵国に侵入したスパイがどうやって機密情報を入手するのか、イスラエルモサドの緻密さ・非情さ、イラク秘密警察の残忍さ等、が余すところなく書かれている。

諜報活動最前線の国同士の駆け引きには、わくわくと驚嘆の繰り返しです。

 

この本では、なぜ多国籍軍フセインを抹殺することなしに湾岸戦争を終わらせたのか? この本を読めば、その理由を知ることが出来ます。

確かに、当時は戦争の終わり方があまりにも唐突だと感じたことを想い出しました。

 

頁をめくるのがもどかしいほどの、ストーリー展開の面白さ。それに加えて、当時の国際情勢や諜報活動の詳しい描写。

エンターテインメントの面白さと知識欲の充足。両方を満たすことができる、読み応え十分なスパイ小説。

ミステリーが好きなら後悔はしない作品です。

 

神の拳〈上〉 (角川文庫)

神の拳〈上〉 (角川文庫)