【おすすめ本】グーグルに学ぶディープラーニング:素人にも分かり易い説明。人工知能学習の最初の一冊に最適。

人工知能に関する本を何冊か読んだにもかかわらず、ディープラーニングの概念がぴんとこなくて、わかりやすい本はないかと探していました。
そのときに、雑誌の書評で見つけた本。
全体を通じて、専門用語を極力使わずに分かり易い説明に徹してくれているのはありがたい。
ディープラーニングの基本的なことを知りたい人におすすめの本。

特に2章。その名も「入門 ディープラーニングの仕組み」をきちんと読むと、ディープラーニングのイメージぐらいは描けるようになります。
私の理解力では2度、3度と読み返す必要はありましたが・・・

初心者のつまずきを丁寧に説明

1章で「人口知能と機械学習ディープラーニングのそれぞれの違いを説明してください」という問いがある。
僕は、この問いに答えることはできませんでした。
これまで分かったつもりになっていたことを、実は理解していなかったことを、まず再認識させられる。
言葉を整理することで、自然と人工知能の基本が分かるような構成になっている。
初心者がつまずきそうな地点を出発点としていることが、この本のわかりやすさの要因の一つになっているように思える。

人工知能とは何か?

答え:機械自身が物事を学習し、その学習体験によって得た知識をもとに「自ら判断する」

そういう機能をもったもののことを指す。
自ら判断すると言っても、それは過去の学習体験の範囲内に限定されたものでしかない。
新しく自らが価値や物事を想像することはできない。

どうやら、人工知能が得意とするのは、膨大なデータを統計的に処理することらしい。
データに対する意味づけは、人間がしてあげないとダメなようだ。

機械学習ディープラーニングの違い

人工知能の定義で使った「機械自身が物事を学習」することを、「機械学習」という。

そして、「機械学習」には、いろいろな手法があり、その手法の一つが「ディープラーニング」である。


では、コンピュータにディープラーニングをやらせるには、どうすれば良いか?
それには、大量の入力と出力のデータをコンピュータに入力した後、入力値と出力値の関係づけを人間がしてあげる。
これを繰り返すと、コンピュータ自ら入力と出力の関係性を理解するようになる、というもの。

たとえば、男性の身長と体重のデータから、その人が大人か子供か判断したいような場合。身長・体重に加えてその人が大人か子供かというデータをコンピュータに入力していきます。一つ目のデータが175センチで85kgの人は「大人」だと入力する。このデータしかない場合、たとえばコンピュータは175センチで85kg以上の人は大人だという知識をもつようになる。しかし、これだけだと身長・体重のどちらかがそれ以下の人はすべて「子供」だと見なす可能性がある。そこで、次に155センチ45キロの人は「子供」と入力する。この二つの入力データから、コンピュータは170センチ70キロ以上の人は「大人」と判断しそれ以下の場合は「子供」と判断するようになる。しかし、当然ながら168センチで65キロの「大人」は大勢いるわけで、たった2事例だけだとまだコンピュータの判断能力は使えない。その後、事例を数多く入力していくと、徐々にコンピュータの判断と実際のが近づいてくる。たとえば、150センチ以下だと85%の確率で「子供」とか、185センチで90kg以上なら95%の確率で「大人」だというように。人間の場合はどうしても特殊な人(極端に小さな大人とか)が必ず存在するので、最後まで判断の精度が100%になることはないが、データを増やせば増やすほど、コンピュータの判断の精度は上がってくる。

基本的な原理はこれだけ。ただ、これだけだと、あまりにも単純化しすぎている。
「ディープ」というにはこれが深く(ディープ)なっていかなければならない。
実際には、この関係が何層にも繰り返されることによって、複数の入力値の関係性から一定の出力値を得るようになる、ということのようだ。

まとめ

やっと、素人でも分かる気にさせてくれる本に出会ったという感じです。
プロの目から見ると、厳密さが足りないところもあるのかもしれませんが、分かり易さを優先した説明には好感持てます。

全くの初心者が、最初に手にする本として最適です。


グーグルに学ぶディープラーニング

グーグルに学ぶディープラーニング