年に20回以上、海外に行ったこともある信三郎です。
地球は狭くなったとはいえ、日本と海外にはまだまだ多くの違いがあります。
大きな違いの一つが「治安」でしょう。
日本人は世界でも指折りの治安が良い国に住んでいるせいか、海外に行くと脇が甘くなるようです。
昔は僕も、脇の甘い典型的な日本人でした。
10年以上前ですが、フィリピンのマニラで、賄賂を取られたうえ、命の危険を感じる目に遭いました。
僕のような危険な目に遭う人が少しでも減ればと思い、この記事を書きます。
1.マニラ空港到着後に遭遇したこと
先輩と2人で、フィリピン・マレーシアを廻る旅行したときのことです。
(1)マニラ空港で警官の制服を着た男に声をかけられる
マニラ国際空港内をウロウロしていると、(警察官のような)制服を着た男に声かけられた。
制服を完全に信用してしまった僕たちは、男のあとについていきました。
連れて行かれたのは、だだっ広い駐車場の一角にある車の前。
見知らぬ男が数人立っていました。
(2)白タクに乗り込む
制服の男に言われて車に乗り込もうとすると、見知らぬ男から制服の男に金を払えと言われました。
今考えてみると、ここで断っていればよかった。
しかし、お人好しの僕たちは、腑に落ちないながらも、警官にお金を渡しました。
確か、日本円換算で1万円程度だったと記憶してます。
ぼくたち2人が後部席に乗ると、3人の男達が乗り込んできました。
定員5名の車内はすし詰め状態。
(3)車内で脅される
出発直後は和やかなムードだったのですが、10分ぐらい経ったところで助手席の男が急に「女を買わないか?」と言ってきました。
「いや、いらない」と断った途端、彼らの態度が一変。
「大の男が3人も来ているのに、手ぶらでお前らを帰す訳にはいかない」というような意味のことを、わめきたて始めた。
(そんなこと知らねえよ)と思いながらも、怖くなって黙っていると、繁華街の店の前で急に車が停まりました。
「車の外へ来い」と言われ、店内へ連れて行かれる。そこには、数十人の女の子がひな壇にズラーッと並んでました。
「誰か選べ」と執拗に言ってくる男達。
仕方なく、「今は昼だから、そんな気分じゃない。夜にするよ」と言い訳をして、なんとかその場を収めました。
(4)チェックインしたホテルの部屋に入ってくる
その後、制服の警官が予約したらしいホテルに車を回してもらう。
「このホテルでいいか?」と男たちが聞いてきた。
見た感じ、かなりのぼろ宿。
しかし、一刻も早く逃れたい僕たちは「OK」しました。
車代を払うと、男たちは去っていった。
ホッとした僕たちは、とりあえずチェックイン。
料金は意外と安かった。
あの調子だとホテル代もぼったくられるかも、と思っていたので、奴らも意外と良心的だなと妙な感心をする。
部屋に入り、2人で今後の予定を相談していた時、ドアにノックの音が。
開けると、先程の男達のうちリーダーらしい男が居た。
ズカズカと部屋に入りこんでくる。
ていうか、なんで俺たちの部屋を知っているわけ?
もしかして、ホテルのフロントと通じているのか?
そいつは、ベッドの端に腰掛けると「夜、何時に迎えに来ればいいのか?」と聞いてくる。
うまくごまかしてコイツらから逃げたつもりだったけど、だめだったか、、、。
押し問答をしている間、そいつはジャケットの裾をやたらとひらひらさせる。
気になって目をやると、ズボンの腰の部分に拳銃が見える!
その瞬間、冷たいものが背筋を駆け上がりました。
先輩も気づいた様子。
こうなると、そいつの要求を拒む事は無理ゲーです。
待ち合わせの「場所・時間」を了解するしかありません。
拳銃男は笑顔で部屋を出ていった。
(5)即座にホテルをチェックアウト
このホテルが全く信用出来ないことを知った僕たち。
話しあった結果、この場をバックレるしかないという結論に。
ということで、即座にチェックアウト。
金が戻ってこないのは残念だけど、そんな事を言っている場合じゃない。恐怖感のほうが大きかったです。
重い荷物を引きずりながらマニラの街中を歩き回り、有名ホテルのチェーン店に泣く泣く大金を払ったのでした。
2.なぜ、こんな事件に巻き込まれてしまったの?
根本は、もちろん海外旅行を甘く見ていたこと。
これまで、何回も空港についてからホテルを見つけていたので、今回も大丈夫だろうと高をくくっていました。
この旅行に行こうと決めたのは、出発の1ヶ月くらい前なのですが、面倒臭がってホテルの予約はやらなかった。
これまでもそれでなんとかなったから、今度も大丈夫と思っていた。
また、空港に着いてからの行動を反省すると、以下のとおりです。
・空港内をウロウロしていた。
観光客でであること丸わかり。格好のカモだった。
・警官の制服なので、信用した。
・白タクに乗った
(車の前まで来てしまったら、逃げ切れなかったかもしれないが)
3.どうすれば防げたか?
じゃあ、どうすれば今回の事件を防げたのか。
まとめると、、、、、
・空港内をウロウロしていた。迷っている観光客であることが、丸わかり。格好のカモ。
⇒宿泊場所と交通手段を事前手配しておく。うろうろしない
・警官の制服なので、信用した
⇒制服を着てても信用しない。特に、マニラでは。
・白タクに乗った(車の前まで来たら、逃げ切れなかったかもしれないが)
⇒いまだに白タクが存在する国もあることを認識。
当たり前ですが、事前に「宿泊場所の予約」と「空港からホテルへの交通手段」は決めておくことが大切ですね。
基本的なことをやらないと、こういうめに遭ってしまうという良い見本です。
4.まとめ
この事例は、脇が甘い日本人が遇う典型的な事件ですね。
振り返ると、自分のあまりにもの危機意識のなさに、顔から火が出るほど恥ずかしいです。
ネットやガイドブックを見ると、今でもフィリピンの治安には不安の声が多いようです。
外務省のホームページでは、フィリピン全体が「レベル1(十分注意してください)」に分類されています。
*下記の黄色部分
www.anzen.mofa.go.jp
治安に関しては少し注意が必要な国であることは間違いないです。
*今回の教訓
・警官も安易に信用するな・・日本とは大違い
⇒ ワイロも彼らの貴重な収入源になっている
・空港からホテルへの行く具体的な方法は必ず事前に検索すべし⇒これが大切
この事件後からは、初めての国に行く場合は下記を徹底してます。
・ホテルの事前予約
・空港からホテルまでの行き方を事前に確定
・ホテルの住所・電話番号をメモっておく
・できる限り公共交通機関を利用する
誤解のないように補足しますが、この事件を除けばマニラで嫌な気分や危険な目にあったことがありません。
多くのフィリピンの人たちは、フランクで親切な人ばかりでした。
人が穏やかで気候は暖かく良い国なのですが、残念ながら一部の人間のために印象が悪くなってしまったのは事実です。
その土地の人と触れ合うことは旅行の醍醐味でもあるので、あまり警戒しすぎてもいけない。
だけど、楽しい旅行のためには、適度な警戒心は必要。
難しい、、、、