サッカー日本代表23人決定。サッカー協会田島会長の立場に立ってみる

ハリル前監督電撃解任のゴタゴタが続く中、ロシアワールドカップ日本代表メンバー23人が発表されました。 

その23人を見ると、、、、。思わず唸ってしまうような人選、、、。

やはり。南アフリカ大会の主力選手たちは偉大だったのか。平均年齢28.17才とやや高めのメンバー構成となった。

 

 ハリル前監督が進めたベテランから若手への切替とアジア予選でのTV視聴率・観客動員数の低下。

その中で起きた前代未聞のワールドカップ直前のハリル前監督解任。

巷では、「サッカー協会はスポンサーに忖度した」という声が渦巻いております。 

 

・メンバー選考にスポンサーへの忖度はあった?

 

まず、今回の代表メンバー23人を見ると、見事なまでに知名度のあるベテランが選ばれ、知名度の低い若手が落ちました。サッカー選手としての能力より、スポンサー受けを優先したと言われるゆえんです。

 

その憶測に輪をかけたのが、会見での西野監督の様子。

 

ベテランを選んだ理由が「コンディション」、という抽象的でよく分からないもの。具体的な選考理由を語りませんでした。 

加えて、びっくりだったのが、会見での西野監督の虚ろな表情。

いかにも憔悴したような感じで、しゃべる言葉もたどたどしく、ガンバ大阪時代の確信に満ちた話し方との格差に驚きました。

 

西野監督といえば、アトランタオリンピックでの大活躍や、Jリーグでいくつものームを強豪に育て上げるなど、日本人の中では屈指の名監督。彼が監督の時は、選手の声がマスコミを通じて頻繁に流れていた記憶があり、批判もある程度許容するオープンな姿勢には、好感を持っていました。

 

スポンサーからの有形無形の圧力があったかどうかは、本当のところはよく分かりません。このような流れかから、世の中ではスポンサー優先の選手選考だという声が高まったのだと思います。

 

 

・サッカー協会(=田嶋会長)の立場になって考えてみた 

もし、サッカー協会がスポンサーの意向を「忖度した」として、その理由は何だったのだろうか?

協会幹部が個人的に利得を得ているとは思いませんが、性善説に立った場合、その意図について考えてみました。

  

サッカー協会にとって一番重要なのは日本サッカーの安定的な繁栄。

 

協会のHPによると、ワールドカップで優勝し、日本にスポーツ文化を(サッカー以外のスポーツも含む)もたらすことを目標としている。

最終的には、協会の財政基盤を安定させると同時に、欧州や南米のようにサッカーが人々の生活の一部として眼付くことが理想の姿としてあるはず。

 

ワールドカップでの優勝という目標に対して、日本代表の実力はというと、最近は世界ランキングが伸び悩んでいるようです。一時は40位前後まで上がったランキングも、今や50~60位あたりをうろうろ。加盟国200カ国強の中で上位4分の1に入るかどうかで、W杯優勝にはほど遠い状況。

 

国内でのサッカーの浸透度を見ても、全国的なクラブ数の増加やDAZNの放映権獲得等、明るい兆しはあるものの、各クラブチームの財政は相変わらず厳しい。

Jリーグファンの高齢化・固定化や観客数は伸び悩みという問題もあり、ライト層と言われる、新しいファンの拡大が必要な状態になっている。

 

とはいえ、競技レベル向上・ファン層拡大は短期的な改善は難しく、中長期的に進めていかなければいけない課題であり、長期的な資金確保が必要な話。

 

翻って、今回のワールドカップ。

現実問題として、今回選ばれたメンバーと落選した若手を比較しても、力的には50歩100歩といったところでしょう。

それより、有名選手の落選が大口スポンサーとの関係悪化による財政基盤の弱体化を招くことの方が、選手育成・ファン層拡大という中長期的に見た日本サッカー界へのマイナスは大きい。

 

 協会幹部がそう考えたとしてもおかしくはない。

 

日本サッカー繁栄のためには、まだまだ長期的な資金が必要。

 

停滞気味の日本サッカーを再び上昇気流にのせるため、長期的な視点からあえてスポンサーの意向に従った。そう見れば、今回のベテラン選手選考も、少しは前向きな気持ちになれるというもの。

 

目の前のワールドカップの結果に一喜一憂するのではなく、長期的な日本サッカーの繁栄を選択。

記者会見での田嶋会長、西野監督の様子を見ていると、批判覚悟で今回の選手選考を行ったように見えました。

世論の反発を分かっていて、あえて悪代官の役目を買って出た。そうだとすれば、田島会長もなかなかの人物と思いますよ。