【スタジアム観戦記】首都圏の5球場を徹底比較。シチュエーション別お勧スタジアムを教えます

5月から始めた首都圏スタジアム観戦記ツアー。

先日の東京ドームで、首都圏のプロ野球5球場が終了しました。

 

観客に球場に足を運んで貰おうと、各球団はそれぞれ趣向を凝らした球場づくり・顧客サービスを行なってました。 

その内容も、各チーム共通のものから、球団独自のものまで、様々。

 

昔、プロスポーツのスタッフとして働いた経験がありますが、ホームスタジアムというは、チームの収益の源でもあり、もっとも重要な資産です。従って、ホームスタジアムを見れば、球団の経営に対する本気度が見えてきます。

 

今回、実際に足を運んでみて感じた、首都圏の球場ごとの特徴をまとめてみました。

これから、プロ野球を観に行こうと思っている人は参考にしてみて下さい。

 

 

1.観戦内容

①観戦した試合

②見た場所:内野指定席券

 できるだけ同じような位置になるようにしましたが、入手状況で球場によっては位置が異なります。

    ・ベンチ裏近く:ZOZOマリンメットライフドーム神宮球場

    ・外野近く:横浜スタジアム

    ・上段の方:東京ドーム

  座席の位置によって見やすさは変わリますが、それは考慮せず採点しています。

 *横浜と東京ドームは人気チケット化していて、良い席はなかなか取れなかった。

 

2.独断と偏見による球場別採点結果

 

(表)首都圏5球場比較    
  項目 西武 千葉 東京D 神宮 横浜
座席
見易さ 5 4 1 3 2
座席の幅 4 4 2 2 1
前後の余裕 4 4 2 2 1
  小計 13 12 5 7 4
食事
コンコース 5 4 4 2 1
売店 5 3 4 2 2
  小計 10 7 8 4 3
電光掲示 3 5 3 3 3
球場の雰囲気 5 4 2 3 3
環境
立地 1 1 5 4 5
アクセス 1 2 4 4 4
周辺施設 3 2 5 3 4
  小計 5 5 14 11 13
  合計 36 33 32 28 26

 

*採点の考え方

採点で重視したのは以下の3項目。

  • リラックスして試合を見れるか(座席、食事)
  • 球場のワクワク感(電光掲示板、球場の雰囲気)
  • 立地条件(環境)

 *( )内は、採点表の項目名を表してます。

 

ポイントは、「会社帰りのおじさんがぶらっときて楽しみめるか」

最も重視したのは「座席でゆったりできること」

隣の人と体が密着したり、前後の余裕がなくて通路に出にくい、という状態は困る。

ビールやつまみを片手にのんびり観戦したいので、食事もある程度のレベルが欲しいところ。

 

そういった視点から採点した結果、一位は西武メットライフドーム、2位千葉マリンスタジアムパリーグの2球場が上位を占めました。

 

2球場とも、「座席」「食事」「球場の雰囲気」といった、球場そのものの良さで高得点。特に座席に余裕があるのが、高得点に繋がった。

球場への投資意欲は、パリーグの2球団がセリーグ3球団を上回っているように感じました。

 

一方、下位になったセリーグ3球場の良いところは、立地条件や環境

都心の近くとか、駅前とか、周囲に遊ぶところが多いとか、便利な場所にあります。これは、特にリピーターにとってはありがたいことじゃないでしょうか。

 

3.球場別詳細

 1位:西武メットライフドーム:36点

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素晴らしい球場でした。「雰囲気・売店・座席」全てが素晴らしい。

計算された導線、周囲の緑と調和したスタジアムカラー、余裕を持ったシート幅、きれいなコンコース、充実したショップ。他の4球場とは一味違った造りでした。

 

スコアボード裏から入場すると、目の前に広がる緑の芝生にわくわくする気持ちになります。球場としての全体感のようなものが、よく出ています。

食事も、単なる売店だけで無く、試合を観戦しながら飲食出来る店があるなど、清潔感も含めて、充実してます。

 

ネットでみると、春先の寒さ・真夏の暑さは半端ではないようです。ただ、僕が行ったのは5月でさわやかな天候の日だったため、気温・湿度の問題は感じませんでした。

 

季節の問題を除けば唯一の欠点は、アクセスが悪いこと。

球場に着くには、池袋から急行で30分の所沢から、更に乗り換えるという不便さ。埼玉県民以外の人が、頻繁に球場に足を運ぶのは大変です。

 

自社で保有していることもありますが、西武球団の球場へ投資する姿勢は素晴らしいと思います。

最近は、各球団ともIT系サービスには力を入れていますが、球場の本格的な改修をしている所は少ない。ITサービスに比べると、球場の改修は桁違いに金も時間も掛かるので、なかかな手が出しづらいところでもあります。

そういったことを考えると、西武の球団経営の本気度が分かるスタジアムでした。

 

遠いけど、一度行ってみる価値がある球場です。 

 

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2位:千葉ZOZOマリンスタジアム:33点

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メットライフドーム同様、座席が広めなのがうれしい。傾斜が適度にあってグランド全体を楽に見渡せるので、ゆっくりと観戦出来ます。

特徴は電光掲示板。センターボード以外に左右にも掲示板があります。そこに、投手と打者の細かいデータが表示されるのはありがたい。

売店関係は、ロッテリアが入っていて、食事もそこそこのレベル。

 

欠点は、ここもアクセスが悪いこと。最寄りの京葉線海浜幕張駅から徒歩15分。駅前のショッピングモールを抜けると、寂しい道をとぼとぼ歩かないと行けない。

帰り道は、心も体も疲れ切ってしまいました。 

 

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3位:東京ドーム:32点

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球場単体より、東京ドームシティで遊ぶついでに行く球場ですね。そのくらい周囲のレジャー施設が充実してます。

遊園地、ボウリング場、天体見学、レストラン、JRA等々。朝から来ても1日では遊びきれないくらいの施設が揃ってます。

 

コンコースが広く、売店が充実しているのも嬉しいところ。

 

本当は、売店で買った飲食物を持ってゆっくり観戦したいところですが、シートが小さいのが難点。シートが小さいので、座席で食事するのは難しい。

また、写真で前の人の頭が複数写っているように、傾斜が緩くグランドが見づらいのも困ったところ。

 

ゆったりと野球観戦するには不向きな球場です。 

 

 

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4位:明治神宮球場:28点

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歴史を感じさせる外観はさすが。

立地場所もなかなか。青山・表参道から神宮外苑散策というデートの後に、ここで野球を見るというのは良いんじゃないでしょうか。

 

ただ、座席が小さいので試合を最後まで見るのは苦しい。

ここに来るなら、ちょっと高いけど、スぺシャルシートのような広々とした座席を予約するのがお勧めです。

 

学生野球と共同使用ということもあるのか、設備に特徴がない。顧客サービスという点から見ると、素っ気ない感じがあります。

 

 

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第5位:横浜スタジアム:26点

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うーん、ネットとか見ると評判は良いようですがねえ。

観戦した経験から言うと、クエスチョンマーク(?)が5個ぐらいつきます。

 

とにかく座席が小さい。5球場の中では一番きつかった。

ずっと座っているのは無理です。体をほぐそうと思ってコンコースに行くと、そこも大混雑。通路が狭く人で一杯で、身動きがほとんどとれない状態。

球場内、どこにいても疲れしまうので、7回途中で帰ってきました。

 

DeNAは、ここ数年急激に観客動員を増やしているようですが、球場の設備が観客増に追いついていないようです。

 

良いところは立地。港町ヨコハマの中心にあるので、近くに散策する場所はたくさんあります。オシャレな店がいくつもあるので、試合前後に食事したり、海を見に行ったりという楽しみは豊富です。

また、親会社がゲーム会社だけあって、IT系サービスは他球場より充実しています。 

 

ただ、ITサービスも良いけど、設備の改修にも少しは金をかけて欲しいと思わせる球場でした。残念。 

 

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4. 5つの球場観戦で分かったこと

5球場で試合観戦して思ったのは、これからは(球場の施設の)ハード系の勝負になってくるだろう、ということ。

 

最近は、顧客サービスに力を入れる球団が増えて、スペシャルシートを増やしたり、試合後の選手とのハイタッチ、ポイント付加等、ファンサービスが増えたことは嬉しいところです。

 

ただ、今はそれがIT系のソフトサービスに偏っています。

IT系サービスは、低コストで簡単にできるけど、真似もしやすい。

そのため、どの球団も似たり寄ったりの内容になってます。

 

一方、金も時間も掛かる球場設備(コンコース、座席の広さ、傾斜、動線など)の改善は、メットライフドームを除いてどこもいまいち。

 

球場別の詳細でも書いたように、座席が小さいため、ゆっくり観戦できない球場が多くあります。 

 

野球というスポーツは、”間”が多い。

野球場で大切なのは、ゆったり観戦できる事だと思います。

約3時間の試合のうち、実際に白球がグランドに転がっている時間というのは、全部で10分もないでしょう。

試合時間のほとんどは「何も起きていない時間」です。

 

「仕事帰りのサラリーマンがぶらっと球場に立ち寄る」という前提に立った場合、多くの人は内野席で試合をゆっくり観戦したいはず。

そういう人たちは、「何も起きていない時間」は、飲食しながらゆっくりと座っていたい。

残念ながら、首都圏の多くの球場は、そういった点では改善の余地が多いと思いました。

 

ゆったり過ごせる座席を提供出来るか。 

これが、これからの球場設備の大切な要素になるでしょう。

 

5.シチュエーション別お勧め球場 

ひとくちに野球場と言っても、「立地が良い」「オシャレな場所にある」「球場の雰囲気がいい」と、その特徴は様々です。

また、野球の楽しみ方も、「ひいきの球団を応援したい」「家族と一緒に楽しみたい」など、人それぞれだと思います。

 

そこで、実際に行ってみて分かった各球場の特徴を踏まえて、シチュエーション別球場の楽しみ方をまとめてみました。

もし、首都圏でプロ野球を観に行くようなことがあれば、参考にしてください。

 

 ①純粋に野球観戦を楽しむ

    西武メットライフドーム

    千葉ZOZOマリンスタジアム 

  ポイント;座席がゆったり、食事も充実

  不便な場所にあるけど、のんびり野球観戦を楽しみたいのなら、この2球場がお薦めです。とにかく、純粋に野球を楽しんでください。

 

 ②家族や仲間とわいわい遊んで、野球以外も楽しみたい

    東京ドーム 

 ポイント;周辺施設が充実

 丸一日費やすつもりで、朝からドーム周辺設備を遊び尽くしましょう。子供づれや若者グループには最適ではないでしょうか。

 

 カップルで行くスペシャルシートの予約がお勧め

    神宮球場

    横浜スタジアム

 

 ポイント;立地場所、周辺で散策できる

 球場の周辺は大人のデートスポット満載。表参道・青山通りを散策したり、港町ヨコハマを巡ったり、試合だけで終わるのはもったいないです。

シートが狭いので、くれぐれもスペシャル座席の予約をお忘れなく。

狭いシートに3時間も座ったら、楽しい気分が台無しになるかも。