Maasアプリ「マイルート」を使って移動したら、交通費を節約できた(福岡市内)

新しい移動の概念として、「Maas」という考え方があります。

正式名称は、” Mobility as a Service "。
日本語に訳すと、「移動のためのサービス」とでも言えばいいでしょうか。

ざっくりいうと、「(バス・電車・タクシー等)複数の交通手段を一括して利用する仕組み」です。


福岡市で「マイルート」というアプリによる、Maasの実証実験が行われています(2019年8月末終了予定)。

先日、福岡に行く機会があったので使ってみたのですが、これがなかなかスグレモノでした。
これまで使ったことがなかった「シェアサイクル」を体験できたうえ、交通費も節約できました。

”Maas”とはどのようなものか?

Maasアプリ「マイルート」の利用報告です。


1.「Maas」とは

総務省のHPでは、以下のように定義しています。

■MaaSとは
 電車やバス、飛行機など複数の交通手段を乗り継いで移動する際、それらを跨いだ移動ルートは検索可能となりましたが、予約や運賃の支払いは、各事業者に対して個別に行う必要があります。
 このような仕組みを、手元のスマートフォン等から検索~予約~支払を一度に行えるように改めて、ユーザーの利便性を大幅に高めたり、また移動の効率化により都市部での交通渋滞や環境問題、地方での交通弱者対策などの問題の解決に役立てようとする考え方の上に立っているサービスがMaaSです。
 

www.soumu.go.jp

従来は、電車・バス・タクシー・レンタカーといった複数の交通機関を利用する際は、利用者が事業者毎に切符を購入・決済する必要があり手間でした。
Maasでは、異なる交通手段を一括して利用・決済できるようにしようというものです。

 フィンランドの交通通信省(Ministry of Transport and Communications)のアニメーションが、分かりやすくまとめられています。

Animation: Could mobility be viewed as a service?

2.Maasアプリ「マイルート」の概要


今回は、トヨタ自動車西日本鉄道が共同開発した、福岡市内限定で使えるMaasアプリ「マイルート」を使いました。

"my route(マイルート)とは ”

公共交通(バス・鉄道・地下鉄など)、自動車(タクシー・レンタカー・自家用車など)、自転車、徒歩など、様々な移動手段を組み合わせてルートを検索し、必要に応じて予約・決済まで行うことで、移動をサポートするサービス

西鉄とトヨタ、福岡市でマルチモーダルモビリティサービス「my route」の実証実験を開始 | コーポレート | グローバルニュースルーム | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト

「マイルート」の説明は、下記動画がわかりやすいです。

「my route」コンセプト映像

実証実験ということで、残念ながら現時点(19年6月)では福岡市でしか使えません。

3.Maasアプリ「マイルート」を使ってみた

それでは、実際に使ってみます。

3-1:アプリ「マイルート」のダウンロード

「マイルート」をスマホに予めダウンロード。

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3-2:経路設定

初夏の暑さの中、福岡市内の繁華街の天神にあるスタバに到着。
涼みがてら、アイスカフェラテを飲みながらアプリを開く。

まずは、現在地と目的地を指定します。


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「ルート探索」を押すと、いくつかのルートが表示されます。
経路・時間・料金が表示されます。

料金順に並べた画面です。
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候補としては、「サイクルシェア」「路線バス」、あと表示されていませんが「地下鉄」という選択肢も表示されています。

今回は「サイクルシェア」を使うことにします。
理由は、圧倒的に安いから。
「路線バスが¥190」に対して、「サイクルシェア(時間制)が¥56」と1/3以下。

3-3:シェアサイクルの利用

「サイクル」を押すと、現在地から目的地(大濠公園)までの詳細なルートが表示される。
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シェア用自転車が置いてある「ポート」と呼ばれる置き場を探す。
ここで、「徒歩」タップすると、付近のポートまでのグーグル・マップが出てきます。

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マップを見ながら歩くこと数分。ポートを発見。
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後輪部にQRコードがあるので、スマホをかざせば解錠。
解錠すると、下記メッセージが出るので、ここから利用時間が始まります。
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真っ直ぐ大濠公園に向かっても良かったのですが、せっかくのシェアサイクルなので、あちこち見て回りました。
大濠公園に着いてからも、自転車を置いて水辺を眺めてまったり。
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3-4:シェアサイクルの返却

返却は、大濠公園付近のポートへ。
グーグル・マップにポートのいくつかの候補が表示されるので、マークに従って進む。
ポートに着いたら、車輪止めに停めて、後輪の鍵を施錠して利用時間終了です。

ここで、施錠が手動だったのが少し手間取りました。

解錠がスマホなのに、施錠が手動なのはどうなの、、、、

3-5:利用料金

支払いは、事前に登録したクレジットカード決済。
料金はその場で確認できます。

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利用料金と経路

6kmを走り料金は¥128。
¥62の節約なり。

いろいろと寄り道したため、24分の予定が2倍の47分かかりました。
それでも、チケット割引き-¥60もあって、路線バスより安かった。

4.感想

まだ実証実験の段階とは言え、Maasアプリ「マイルート」はなかなか便利でした。

おかげさまで、交通費が節約できました。

一番良かった点は「複数の移動手段がひと目で比較できる」ことです。
バス、地下鉄、タクシーなど、様々な交通手段の「時間」「値段」「乗り換え回数」等を一覧で表示してくれます。

おかげで、福岡にも「シェアサイクル」があり、一番安い移動手段であることを知りました。
このアプリがなければ、従来と同じ「バス」か「地下鉄」を使ったでしょう。

このアプリの「複数の移動手段を比較する」という特徴は、東京や大阪のように交通手段の種類が多い街ほど、威力を発揮するように思います。

例えば、あなたが新橋から品川へ行くような場合。
下記のようにいくつもの選択肢が考えられます。

 ①鉄道(山手線or地下鉄)
 ②バス(目的の場所が駅から遠いような場合、バスのほうが早いかもしれない)
 ③タクシー(3~4人で行くのなら、電車よりタクシーのほうが安くて便利かもしれない)
 ④シャアサイクル(今いる場所と目的地の近くにシェアサイクル用ポートがあれば早くて確実かも)

忙しいさなか、上記のどれが良い移動手段なのかを、把握するのはかなり面倒。
Maasアプリがあれば、「時間」「金額」「詳細ルート」「その他の情報」を一覧で表示してくれて、簡単に比較できます。

便利さは格段にアップしますよね。


MaaS=” Mobility as a Service " 

普及すれば、目的地への移動がよりスムーズに、より便利になることは間違いないようです。