日々だらだらとをすごしてるセミリタイヤ生活ですが、数少ない趣味の一つがランニング。
多くの人は、ランニングに出かけるときは家の鍵をもっていくと思います。
僕もそうです。
この家の鍵。いつも「邪魔だなあ」と思ってました。
走るのは身軽が一番。
30km走の時のような長時間練習のときは、途中で飲み物買うためスマホ用のアームバンドに小銭とSuicaを入れて走ります。
しかし、普段はウエアとランニングパンツだけです。
そういうとき困るのが、鍵の格納場所。
ランニングパンツのポケットに入れるだけだと、走っている最中に飛び出てしまいそうで不安。
最近のランニングパンツには、ファスナー付きポケットがついているのもあるので、通常はそこに入れます。しかし、昔のパンツにはそういう小物入れがないこともありますよね。
先日、たまたま昔のパンツを履いたので、鍵を持たずにランニングしてみました。
- 1.家の鍵を持たずにランニングに出た
- 2.家に帰ってくると鍵が閉まっていた
- 3.一縷の望みをもって近所のスーパーへ
- 4..帰ってきたら鍵が開いていた
- 5.結論:鍵を持たずにランニングすると・・・・嫁さんが女神に見える
1.家の鍵を持たずにランニングに出た
1月中旬のある日の夕方。
いつものようにランニングに出かけることにしました。
家を出るときには、嫁さんは台所仕事中。
「嫁さんが家にいるから鍵はいらないな」と思ってしまったのです。
鍵を持たないということは、鍵をかけずに家を出るということ。
防犯上問題あるので、嫁さんにひとこと言っておけばよかったのですが、面倒くさいので何も言わずに走りに行きました。
2.家に帰ってくると鍵が閉まっていた
その日は調子が良く、20kmをかなりのペースで走りました。
そのため体中汗びっしょり。
気温はたしか10℃を下回っていたはず。
汗で貼り付いたウエアで体は冷え切り、手先も凍えてかじかんでいました。
トレーニングで全力を使いはたし、家に帰り着いた時には体もクタクタの状態。
しかし、久しぶりに長い距離を走り切り、満足した気分で戻ってきました。
暖房の効いた温かい部屋を想像しながら、震える手で玄関の扉を引く。
しかし、、、いくら力を込めて引っ張ってもドアが開かない!
「なんなの!鍵閉めるなよ!」と思いながら、チャイムを鳴らします。
いつもならここで、「ごめん。鍵閉めちゃったあ・・・・」という脳天気な声と共に扉が開くはず。
ところが、いくら待っても物音一つせずただ沈黙があるのみ。
「ええ、まじ?」と思いながら、何回もブザーを叩く。
だけど、帰ってくるのは相変わらず沈黙だけ。
そのうち、寒さで歯がガタガタ震え出し、むきだしの脚には風が吹き付けてきました。体に張り付いたウエアの冷たさで、骨まで凍りつくかのよう。
3.一縷の望みをもって近所のスーパーへ
陽もとっくに落ちて外は真っ暗。
そろそろ夕食の時間。嫁さんがこの時間に出かけるとすれば、近所のスーパーしかない。
そう考えて、寒さに震えながら400メートル先のスーパーへ走りました。
人間、極限に置かれると力が出るものですね。練習の最後は歩くようだったのに、4.00/kmを切るようなスピードで飛んでいきました。
夕方のスーパー入口付近の混雑をすり抜け、店内に突入。
エアコンの効いた暖かさはまるで天国。やっと人心地着いた気分になりました。
一息入れると、スーパーの人混みの中を右往左往。
しかし、店内を何周回っても嫁さんの姿は見つからない。
(この店じゃないのか?)
ここじゃないととすれば、どこにいるのかまるで見当がつかない。
かと言って、ランニングウエアの格好で寒い屋外に出る気にもなれない。
途方にくれていると、4,5才くらいの女の子が近寄ってきました。
何かなと思ってその子を見ると
「どうしたの?」
と聞かれました。
「え?」
と問い返す僕。
「お財布忘れたんですか?」
さらに聞かれて、改めて我が身を振り返る。
汗だくのウエアとランニングパンツのおっさんが、手に買い物かごを持つわけでもなくうろついている。
ガラスに写ったその姿は浮浪者と紙一重。
「いや、大丈夫」
とひきつった笑いをみせると恐れをなしたのか、女の子は逃げるように駆けていきました。
これ以上店内にいるとますます怪しまれると思い、トボトボと家路へつくことに。
4..帰ってきたら鍵が開いていた
(ああ、嫁さんはどこに行ったんだろう?)
玄関の前に立って途方にくれること1,2分。再び冬の寒さがしみてきた。
ただ突っ立っているわけにも行かず、何気なくドアを引っ張ってみると、スーッと動いた!。
「家に入れる!」
思わず叫びそうになるのを、近所の手前懸命に抑えながら、玄関に転げ込みました。
その時の感動をどう表現すればいいのか?。サッカー日本代表が始めてワールドカップ出場を決めた時以来の感動です(例えが下手ですみません)。
「鍵、持ってなかったの?」
そう言いながら、お玉を持って出てきた嫁さんのその姿が女神に見えた、、、。
なぜが不思議と怒りが湧いてこず、鍵を開けてくれた感謝の気持ちが出てきました。
だって、本当に凍え死ぬかと思ったから。