「働かないおじさん」は会社員の希望の星。会社員なら目指すべき姿のはず

日本の会社には「働かないおじさん」というのがいるらしい。

昔から「窓際族」という言葉があるように、そのような人はいつも一定割合存在していました。

巷では(特にネット上では)、「働かないおじさん」に対して、忙しく働いている社員(主に若手社員?)から批判が噴出しているようです。試しにネットを見ると出るわ出るわ、悪口のオンパレード。

 

中高年ニートの僕から見ると、その悪口はあまりにも理不尽に思えましたので、あえて反論したいと思います。

 

僕が社会人になった頃、課長とか部長と言われる人たちは、朝から新聞を読み、お茶を飲んだりタバコを吸いながら雑談して、仕事といえば決裁のハンコを押すだけと言うのが普通でした。 

新入社員の頃、おじさん達のそういう姿を見ても何とも思わなかった。

 

ラインから外れたようになって、仕事をしていないように見える人もたくさんいた。

だけど、会社がピラミッド組織になっている限り、そういう人が出てくるのは当然だし、そういうのも含めて会社というのは成り立っているのだと思っていました。

また、そういう人生の先輩たちの経験談を聞くのが、会社での楽しみの一つでもありました。

 

ところが、今時の社員たちはのんびりしている人を許せないらしい。

なぜ、「働かないおじさん」に対して、不満が噴出するのだろう?

 

その理由を見ると、働かないのに高い給料もらっているだの、経費の無駄だの、といったこと。まあ、どれも大したことでなく、そんなことでいちいち目くじら立てるかなあというような内容ばかり。 

 

 そもそも、働かないで給料をもらえるなんて、最高じゃないですか。

それは、会社員なら誰もが思ってることでしょう?

少なくとも、僕がこれまでに出会った会社員の多くは、それが究極の目標だと言ってましたよ。

 

起業している人やフリーランスの人の中には、仕事自体が楽しいという人もいるようですが、多くの会社員にとって仕事は嫌でつまらないもの。

 

会社員という職業は、何をするかを他人が決めるのだから、面白い仕事に出会える確率なんて、宝くじに当たるようなもの。そこをなんとかやり過ごしていくのが、サラリーマンのサラリーマンたる所以のはず。(本当はここが問題の本質だと思うけど、今回は深く追求しません)

 

他人が楽しているのが不満なのは、自分がつまらない仕事しているから。もし、仕事が楽しいなら、他人が会社で何をしていようと気にならないはず。

ネットの不満も「自分はこんなに大変な仕事をしているのに、暇そうにしているのは許せない」とか、子供のヤキモチみたいな意見が多かった。

 

僕には、「働かないで給料を得る」という会社員にとっての究極の状態を実現した人を羨ましがることはあって、批判する気持ちはない。

逆に、会社員である限り、そういう方向を目指すべきとさえ思う。 

 

じゃあ、なぜ「働かないおじさん」が存在し得るのか?

それは、過去の安月給分を取り返しているから。

今の、若手社員と同じように、おじさん達も若い頃は結果を出していた。

それを、取り戻しているだけ。

  

今の社会には、「実績に応じて給料を払う」コンセンサスがあるため、実績がある奴の報酬が高いのは仕方がない。既存の業界や組織の中で働いている限り、この仕組みからは逃れられない。

 

逆に、結果を出したのに、何年働いても、労働時間も給料も変わらなかったら、こんな不幸なことはない。それこそブラックだ。

人は、そういう仕事に希望を見いだすことは出来るのだろうか?

果たして、頑張ることが出来るだろうか?

 

「頑張れば、将来は楽して給料がもらえる」という希望がないと、僕は会社員は続けられない。

 

だから僕は、「働かない高給取り」がいない会社に、長く勤めようとは思わない。年取った人達がハードワークばかりしている会社にいたら、一生こき使われて終わるよ。

 

それでも、働かないおじさんが高給を手にするのが許せないなら、その会社を辞めて、自分で会社を作りましょう。そこで、実績がない人に高い給料を払えばいい。それはあなたの自由です。

 

それが嫌なら、今のまま仕事を続けて、「働かないおじさん」になるのを目指すのが良いと思うよ。