不動産サイトのスーモで、2018年住みたい街ランキング第6位という人気の街、武蔵小杉。都心に近いという立地から、タワーマンションが林立し人口も増え、日本でも数少ない伸びている地域の一つのようです。
そんな「未来都市武蔵小杉」にたまたま立ち寄った部外者が、感じたことをつらつらと書いてみます。
・なぜか武蔵小杉に
7月2日(月)猛暑の早朝、なぜか武蔵小杉にいました。
家に帰ろうと東京方面行きのホームで電車を待つことにしたのですが、時は平日の朝。やってきた電車は既にすし詰め状態。
列の最後から乗り込もうとしたら、「Tシャツに半ズボン」というどう見てもこれから仕事に行く格好でないおっさんに対して、ドア付近で必死に脚を踏ん張っている人たちの「おまえ、まさか乗ってこないよな!」オーラを感じ、あえなく乗車を断念。
さすがに朝の通勤ラッシュ時に、俺みたいな暇人が乗ったら迷惑だなあと、すごすごとホームから退散です。
仕方がなく駅周辺で時間を潰すことにしました。
・とてつもなく長い乗換通路
武蔵小杉は、東急東横線、JR南部線、それとJR横須賀線の3つが交差してます。
問題は東急東横線・JR南南武線からJR横須賀線までの距離があること。
東京駅・新宿駅方面に行くには横須賀線に乗り換える必要があるのですが、通勤ラッシュ時は横須賀線のホームにたどり着くのが一苦労。
南武線の改札口から入って横須賀線のホームまで歩いて9分掛かりました。
そのときの時間は、通勤ラッシュピークの少し前7時10分頃。
そこそこ人の流れはありましたが、人が通路の横幅一杯にいるような状況です。前を歩いている人を抜いたりするのはとても無理で、流れに任せて歩くしかない感じ。
ラッシュのピーク時に通路に人が溢れたら、もっとかかるでしょうね。
武蔵小杉ー東京間は17分ということになっているけど、この駅構内の混雑振りだと、通勤時間は実質30分ですな。
この武蔵小杉の混雑ぶりは以前から問題になっているようです。
正直、今の状況は駅の収容人数を超えていると思います。
駅周辺を歩いてみると建築中のタワーマンションがいくつかあったので、人口流入はまだ続くでしょう。JRもこれから対策していくようですが、抜本的な解決にはならないようで、混雑解消は当分先の話になりそうです。
・旧住民とタワマン住民の違い
武蔵小杉駅周辺をぶらついて想い出したのが、黒澤明監督の映画「天国と地獄」。
(ネタバレ)これは、お金のない若者が高台に住む大富豪の息子を誘拐するというもの。若者が住む地域と大富豪が住む高台との対比が印象的でしたが、武蔵小杉の街にはそのシーンを想起させる雰囲気があります。
東横線の線路を挟んだ南北で、街の雰囲気ががらりと変わるのです。
東横線の線路の北側は昔ながらの商店街があり、庶民的な懐かしい雰囲気を残しています。
一方、線路の反対側はタワーマンションが建ち並ぶ未来都市のような佇まい。どこかセレブ感漂い、今風のショッピングセンターやレストランも揃っていて、生活はここで完結できそう。
線路を挟んで街の雰囲気ががらりと変わる様子は、不思議な違和感を覚えるものでした。
特に、昔ながらの商店街は気楽に立ち寄れる雰囲気があるのですが、タワーマンション周辺はセキュリティ重視ということもあり「私有地」という看板が所々に見られ、何となく近寄りがたい雰囲気を醸し出しています。
そのためなのかどうか分かりませんが、新旧住民の間には若干のぎこちなさがあるようです。
住んでいる年数が違うから、地域への思い入れに温度差があるのは仕方がないかもしれません。
タワーマンション住民の多くはサラリーマンでしょうし、僕も会社員時代に一時期高層マンションに住んでいたこともあるので、地域への関心が薄くなりがちなのは分からないでもないです。
でも、これだけタワーマンションが増えたのだから、やはりマンションに住む人達が積極的に地域に寄り添わないと、問題は続くでしょうねえ。
まとめ
僕のような外の人間から見ると、武蔵小杉はきれいな町並みと庶民的な商店街が混在する、とても良い街に思えますが、やはり急激な人口流入は色々とひずみを産み出しているようです。
リンクの記事にもあるように、保育所や小学校が不足しているとか、他にも問題はあるみたい。
これは、今流行の「駅近・都心近く」に続々と建てられているタワーマンション建設地に共通に起こりえることです。
都心に近い、新しい店が揃っている、といった不動産上のスペックも大切でしょうが、実際に歩いて街の雰囲気のようなものも見るのも、不動産購入に必要なことのような気がしました。